はつかねずみの金あみ

 ある時、はつかねずみの金あみがなくなりました。ねずみも大ぶなくなつたやうです。 誰かゞ、ぬすんだのでせうか。 子供たちはふんがいして、しらがのごいんきよにうつたへました。 ごいんきよは、しばらく考へてから、いひました。「まあ、いゝさ。ねずみも、金あみなんかかぶせられて、きゆうくつだつたらう。もう、金あみは、やめるのだな。」「さうだ、さうだ。僕たちだつて、金あみなんかかぶせられたら、いやだなあ。」と、子供たちもいひました。 ところで、はつかねずみのすになつた八幡丸を、どこにすゑたらよいでせうか。「舟だから、池のそばがよからう。」といふことになりました。また、仕事がふえました。 池のそばの、木がこんもりしげつてゐる所に、小さな小屋をこしらへるのです。小さいけれど、風や、雨にも、たへるやうな、ぢやうぶな物でなければいけません。 それを、子供たちは自分で、大人の手をかりずに、作り上げました。 その小屋の中に、そつと、八幡丸をすゑました。はつかねずみは、広広とした所に出されて、一そう元気になりました。「うまく行つたなあ。」 子供たちは、何度も、白いはつかねずみをのぞきに行きました。 ところが、今度は、鳩のす箱が、三つばかりなくなりました。 また、誰かゞ、ぬすんだのでせうか。 それを聞いて、ごいんきよはいひました。

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